ブランケットにくるまって、DREAM!ing2部を読み返そう

 

 10月下旬、DREAM!ing4周年記念商品として、DREAM!ing Memorial Bookのデジタルアーカイブ版DLカードが我が家に届いた。イラストが印刷された4枚のブランケットと3枚のアクリルパネルが同梱された限定版を購入したので、突然の過剰供給に、ブランケット4枚だけど体は一つ〜こんなに板飾りきれない〜>_<と嬉しい悲鳴をあげている。

 さてDREAM!ingといえば大好評を博したミュージカル第二弾、Rainy Daysの円盤発売待ちである。公演が終わってから数ヶ月経ったのに、まだ発売まで数ヶ月あるという信じられない状況が続いている。

 しかし、2023年1月25日以降は、常にRDの円盤があり人生が満たされてしまうことを考えると、今のこの期間、限られた時間を楽しむのも悪くない。

  幸い、手元にはこの時期にピッタリのブランケットがある。早速バリバリと開封し、腰に巻いてみた。壁Tシャツは自身が壁と一体化したが、今回は柔らかい触り心地と美麗なキャラクターに包まれ、なんとも温かい気持ちになる。正直ドリミがアニメ化しないこの世界なんてやっていられないのだが、そんなやさぐれた心に優しく寄り添ってくれているかのようだ。

 それぞれの表情を浮かべる、2部の主人公たち。そういえば2部しばらく読んでないな。ミュージカル見た後に見返すと、新しい発見があるかもーーーーーーそう思い、アプリの再生ボタンに手を伸ばした。

 

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 まず新しい発見といえば、私がミュージカルの詳細を忘れているということが判明した。マジ脳細胞が息してない。冒頭、27clubを調査しに来た時雨、孝臣、藤次が仮面の男と遭遇し、指パッチンで床が抜けるという場面、エッッ舞台ではどうしてた!?どうやって落ちた!?としばらく考え込んでいた(おそらく普通にはけたし、たぶん床抜けてない)。またミュージカルを見たことにより原作2部を忘れているため、千鶴が言った「数年の命」を時雨のセリフに転換し、出番を絞りつつキーワードに反応する一生を印象付ける脚本演出すご……と初見みたいな感想がわんさか出てくる。

 原作の展開を組み直し、交錯させ、地の文からもセリフや歌詞に引用しており舞台の記憶が呼び起こされる。1秒たりとも目が離せない。一生のゆめライブ、原作もキツい(自分でコントロールすれば良いって言ってるのに出来ないところみんなに見られてしまう…)のによくそれ以上にキッッツイ演出にしたなあ長々と(ありがとうございます)。巳影タピオカミルクティーっつってたのか。花びら飲んじゃって……ってセリフにしたの的確すぎる。一生も軽口叩かなくて済むし。叩けないし。

 また、一体何を食べたらシャンパンコールと心腹の対峙を舞台上で両立させることを思いつくのかと思っていたのだが、4章で時雨が幻想即興曲は決して交わることのない別のリズムを刻んでいるのに美しい旋律を奏でる、光と影のように、という話をしており、ああ、あの場面は幻想即興曲だったのだ……と天を仰いでいる。

 それにしても2部は良くできている。なんといってもW主人公のバランスが秀逸だ。感情の巳影、理論の真也である。一見逆であるところがまた良い。辛い境遇にある少年二人が、さらに辛い境遇にあるかけがえのないペア相手をズタボロになりながら救う物語など、ドリーミングでしか味わえない。4部を読んで、ミュージカルを見て戻ってきた2部、あまりにも感慨深い。やっていることは実ったよ、良かったね浅霧。良かったね真也くん。良かったね時雨、良かったね一生………。

 

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 ミュージカルの役者さんは原作に寄せているなと思っていたのだが、改めて聞くと声優さんの演技とはだいぶ違う。生徒会室を去る時雨の声が、記憶の100倍悲壮感に溢れていたことには驚いた。私に分かることは、ステージに合わせた表現があることと、どちらの時雨も彼の背負っている数奇な運命を感じさせる、素晴らしいものであるということだけだ。一方真也くんは立ち絵すら役者さんに見えてきてしまい、同化しすぎている。憑依型天才役者か。どういうことなの。

 おひ月ペアは、原作読んだ時に一体彼らはどんな顔でお互いの話を聞いていたんだろう…とずっと考えていたので、舞台上で生の役者さんを見ることができて本当に嬉しかった。東屋で、27clubのてっぺんで、相手の声に耳を傾けながら感情が見え隠れする彼らの表情を、私はずっと忘れない。

 ミュージカルは原作に忠実でありながらも、不要な部分はバッサリとカットし、展開に合わせて改変し(特進生バトルなんて原作より面白い)、洗練された舞台になっている。脚本演出の巧みさにうなるばかりだ。オタクなのですぐにお金を送りたくなってしまうのだが、そこは円盤を複数買うことで感謝を形にしようではないか。今からでも特典増やしてくれ。既存グッズに舞台写真つけて売ってくれ。塚本さんの写真くれ(私情)

 さて私の推しはビアンキ由仁くんである。なんと彼のセリフは大方採用されており、読みながら舞台を思い出しては笑みが止まらない。おひざすりむいたの〜!の元はひざこぞうすりむいたの〜!だったのか!(こういう記憶力はある)。バトルで出てくるビアンキ特製ヒミツ道具は、イベントストーリーから取り入れられ、メインストーリーでは2部から登場している。

 別に無くても支障ないところを、ミュージカルに登場したのは3部への布石だと思われる。飛び道具でしかなかったヒミツ道具は、3部でコミカルでありながら重要な秘密を引き出す一助となり、4部ではその光が深夜の病院の、暗い廊下を照らす存在になる。由仁はその存在が突飛であるほど、作品で重要な本質が際立つのだ。私はRDのOPで傘をクルクル回す由仁が大好きである。早く円盤で再び出会いたい。

 

 原作とコミカライズとミュージカルを行ったり来たりするだけでも新しい発見はまだまだある。ブランケットもまだあと3枚あるので、包まれながら円盤発売日を待とうと思う。